ボーリングの技術は国際的な研究プロジェクトにおいても活躍しています。どのようなプロジェクトで、どのように役立っているかを解説します。
2013年10月に開始された多国間科学研究共同プログラムである「国際深海科学掘削計画(IODP)」は、海底を掘削して地質資料を採取し、地球や生命の謎を解明しようというプロジェクトです。
日本、アメリカ、ヨーロッパがそれぞれ提供する掘削船を用いて、世界中の海底を掘削しますが、この掘削コアを回収するためにボーリングが使われています。
日本の海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、国際深海科学掘削計画の総合推進機関としての役割を担っています。掘削研究への科学的貢献をはじめ、地球深部探査船「ちきゅう」の提供、国内の科学者の国際深海科学掘削計画への窓口機能を受け持ち、今後の研究や教育への利用などに役立てていきます。
海底掘削により回収された掘削コアは、世界に3ヶ所ある保管施設の高知・ブレーメン・テキサスに分配・収蔵されます。
2010年11月から2011年3月にかけて、国際陸上科学掘削計画・死海深層掘削プロジェクト(ICDP-DSDDP)により死海3地点で12の柱状堆積物コアの採集が実施されました。総掘削長は約800mで、死海の北側湖盆の水深297.46m地点では、湖面から455.34mの深度まで、同湖盆の湖岸EinGedi地区では270.93mの深度まで達しています。
こうして採集された柱状堆積物には、過去数十万年におよぶ気候変動や、死海周辺の地殻変動などが詳細に記録されていると推測されます。これらの情報を解読するため、さらに多様な研究プロジェクトも計画されています。
死海深層掘削プロジェクト(DSDDP)で採集された堆積物コアは、ドイツ・ポツダム地球科学研究所に冷蔵輸送されました。堆積学、地質学、古生物学、地球化学分析などさまざまな分野の研究者に分配され、多種多様な研究に利用されます。
ボーリングによる掘削で、さまざまな場所の堆積物コアを採集する大規模かつ世界的な研究が行われています。深部まで掘削するほど、過去の地球で何が起こっていたか、どのような環境だったのかなどを知ることができ、今後もこれらの研究にボーリングは欠かせない技術となっています。
アンカー工・法面工などの中規模以上の工事から、地盤改良や地質調査などの小規模工事まで様々なシーンで活躍するボーリングマシンを、工事ごとに重要視される特徴やスペックを「強み」として表現し、それぞれにおすすめなメーカーを3社ご紹介しています。
引用元:鉱研工業(https://www.koken-boring.co.jp/products/580/)
山岳の硬い岩盤も貫けるよう、回転トルク10kN-m・引抜力60kN(給進機構)・ドリルヘッド速度25m/min、打撃力750Jなどのハイパワーを備えつつ、4次排ガス規制に適合したエンジンを積むことで燃焼効率も自動でコントロールし、経済的です。
引用元:YBM(https://www.ybm.jp/product/lrp-400-2)
本体重量がわずか1トンの軽量型マシンや、ロング車1台でツールスなどのオプション品も運搬できるのが同社製品の魅力。
大型重機を入れづらい狭い場所で行う調査や、重機を扱う担当者への負荷を抑えたい現場におすすめと言えます。
引用元:東亜利根ボーリング(https://www.toa-tone.jp/_shared/catalog/C100.pdf)
都市部における掘削作業では、騒音や振動への対策は必要不可欠。
国交省の「超低騒音型建設機械」にも指定された同社製品では、従来品比でエンジン騒音-11dB・作業音-10dBを実現。また、騒音の逆周波を人工的に発生させる消音装置なども展開しています。