一口にボーリングマシンと言っても、マシンの機構などによって種類が異なります。導入する際は、現場や工事内容にあったマシンを選びましょう。ここでは、地中熱利用工事で活躍するボーリングマシンをご紹介します。
安全性・小スペース・低騒音で選ぶ
「おすすめのボーリングマシンメーカー3選」
自然エネルギーの必要性が高まっている今、特に注目されているのが地中熱です。地中熱とは、地表から地下200mまでの地中にある熱のこと。深さ10m以深は年間を問わずほぼ一定の温度を保っており、天候に左右されたり、利用を制約されたりすることなく、安定的にいつでも利用することができます。
地中熱利用工事とは、この地中熱を利用できるようにするための工事です。地中にボーリングで孔を開け、設備を挿入して、必要な熱エネルギーを取り出せるようにします。
CO2削減やヒートアイランド対策にも大きな効果が得られることから、住宅をはじめ、学校・病院・ビル・温浴施設・道路融雪などさまざまな場所で利用されています。
ボーリングマシンは地中熱利用工事にも活用されています。ここでは、地中熱利用工事でボーリングマシンを使用した事例を紹介します。ボーリングマシンの活用方法の参考にしてください。

引用元:クラフトワーク株式会社公式HP
(https://kraftwerk75.co.jp/%E4%BA%AC%E9%83%BD%E5%BA%9C%E3%80%80%EF%BD%8B%E5%B7%A5%E5%A0%B4%E3%80%80%E5%9C%B0%E4%B8%AD%E7%86%B1%E3%81%A8%E6%8E%92%E6%B0%B4%E7%86%B1%E3%82%92%E5%88%A9%E7%94%A8%E3%81%97%E3%81%9F%E5%86%B7%E6%9A%96/)
ボアホール型地中熱システムの導入に際し、ボーリングマシンを用いて12本の地中熱井戸を掘削しました。このシステムは地中の安定した熱をヒートポンプで効率的に活用し、工場の冷暖房に利用しています。従来は廃棄されていた排水の熱も熱交換器で回収し、暖房の補助熱源として再利用します。環境負荷を抑えた省エネ型の冷暖房システムです。

引用元:福島地下開発公式HP
(https://www.ftk-44.jp/%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E7%B4%B9%E4%BB%8B/%E5%9C%B0%E4%B8%AD%E7%86%B1/)
福島地下開発では、一般住宅専用の地中熱ボーリングマシン「福・プローブ」を日本大学と共同開発し、地中熱交換井の掘削工事を実施しています。直径約179mm、深度100m級のボアホールを掘削し、高密度ポリエチレン製のUチューブを挿入します。硅砂で充填して熱交換器を構築する工事です。冷暖房やロードヒーティングなど多様な用途で地中熱を活用しています。
参照元:福島地下開発公式サイト( https://www.ftk-44.jp/%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E7%B4%B9%E4%BB%8B/%E5%9C%B0%E4%B8%AD%E7%86%B1/ )
ここでは、Bori-Hori編集チームがピックアップした地中熱利用工事用のマシンを紹介します。
【選出理由】
「ボーリングマシン メーカー」とGoogle検索して10ページ以内に上位表示されるメーカー(オリジナルの製品を製造・販売)10社のうち、
「地中熱利用工事 ボーリングマシン」に該当する情報を公式HPに掲載しているメーカーの製品をピックアップしています。
(2023年8月1日調査時点)
※また、各企業の公式サイト上に該当する工事事例や事業紹介コンテンツが存在する場合、そのページもあわせてご紹介しています。(2024年11月12日調査時点)
引用元:東亜利根ボーリング公式HP
https://www.toa-tone.jp/manufacture/index.html
引用元:東亜利根ボーリング公式HP
https://www.toa-tone.jp/manufacture/index.html
【ドリルヘッド】
| 形式 | 油圧モーター駆動 |
|---|---|
| 回転数(min -1) | 0 - 57 (低速時) |
| チルト角度(°) | 0 – 45 |
| 回転トルク(kNm) | 5.88 (低速時)、2.94(高速時) |
【フィードシステム】
| 形式 | 油圧モーターチェーン方式 |
|---|---|
| 押下力(kN) | 68.6 |
| 押上力(kN) | 68.6 |
| フィード速度(m/min.) | 0 – 15.0 |
| ストローク長(mm) | 4,630 |
【オシレーター】
| 形式 | 油圧モーター駆動 |
|---|
【ガイドシェル】
| 形式 | 油圧起倒式 |
|---|---|
| リーダースライド(上下)(mm) | ストローク:1,000(上下各500) |
| スイング角度(°) | ±5 |
【巻上装置】
| 形式 | 油圧モーターウィンチ |
|---|---|
| 巻上能力(kN) | 6.9 |
| ロープ径(mm×m) | 9.0x20 |
【クローラー】
| 燃料タンク容量(L) | 軽油250 |
|---|---|
| 作動油タンク容量(L) | 400 |
【レベリングジャッキ】
| ストローク(mm) | 500 |
|---|
【重量・寸法】
| ドリル本体重量(kg) | 約 10,000(オプション含まず) |
|---|---|
| 本体寸法(LxWxH)(mm) | 7,860x1,980x2,800 |
引用元:東亜利根ボーリング公式HP
https://www.toa-tone.jp/manufacture/m04.html
引用元:東亜利根ボーリング公式HP
https://www.toa-tone.jp/manufacture/m04.html
| 本体形式 | スーパープローブ“SP-8000” |
|---|---|
| 削孔能力(m) | 100 |
【ロータリーヘッド】
| 形式 | 油圧モーター駆動 |
|---|---|
| スピンドル回転数(min -1) | Low0-27(33)、High0-54.2(バイブロ未使用時0-105) |
| スピンドルトルク(kNm) | 5.4(low)、2.7(High) |
【フィード】
| 形式 | 油圧シリンダーチェーン付き |
|---|---|
| 給圧力(kN) | 46.0 |
| バランス力(kN) | 98.0 |
| フィード速度(m/min.) | 0-19.5(掘削時)、27.9(急速時) |
| バランス速度(m/min.) | 0-9.2(掘削時)、3.1(急速時) |
| ストローク長(mm) | 1,800/3,000(O.P) |
【バイブロ】
| 形式 | 油圧モーター駆動 |
|---|---|
| 最大振動数(cpm) | 4,000 |
| 最大起振力(kN) | 78.4 |
【マスト】
| 形式 | 油圧シリンダー駆動 |
|---|---|
| マストスライド長(mm) | 600 |
| ヘッドシーブ | 高さ調整可能(組立式) |
| スイング角度(°) | ±5 |
【ホイスト】
| 形式 | 油圧モーター駆動 |
|---|---|
| 巻き能力(kN) | 9.95/15.00(O.P) |
| 巻き速度(m/min.) | 0-50 |
| ロープサイズ(mm×m) | 8.0×95/9.0×30(O.P) |
【重量】
| 総重量(kg) | 約5,500/約7,300(O.P) |
|---|
引用元:東亜利根ボーリング公式HP
https://www.toa-tone.jp/manufacture/index.html#m02
引用元:東亜利根ボーリング公式HP
https://www.toa-tone.jp/manufacture/index.html#m02
【スイベルヘッド】
| ドライブヘッド内径(mm) | 160 |
|---|---|
| フィードストローク(mm) | 750 |
| ビットスピード(r.p.m) | 正転60-120-265-400、逆転36-72-160-240 |
| 最大給圧力(ton) | 25 |
| 最大バランス力(ton) | 33 |
| 最大トルク(kg、m) | 1,200 |
【重量】
| 総重量約(kg) | 8,400 |
|---|---|
| 分解最大重量約(kg) | 2,000 |
【寸法】
| 幅(mm) | 1,970 |
|---|---|
| 高さ(mm) | 2,320 |
| 長さ(mm) | 4,000 |
アンカー工・法面工などの中規模以上の工事から、地盤改良や地質調査などの小規模工事まで様々なシーンで活躍するボーリングマシンを、工事ごとに重要視される特徴やスペックを「強み」として表現し、それぞれにおすすめなメーカーを3社ご紹介しています。
引用元:鉱研工業(https://www.koken-boring.co.jp/products/580/)
山岳の硬い岩盤も貫けるよう、回転トルク10kN-m・引抜力60kN(給進機構)・ドリルヘッド速度25m/min、打撃力750Jなどのハイパワーを備えつつ、4次排ガス規制に適合したエンジンを積むことで燃焼効率も自動でコントロールし、経済的です。
引用元:YBM(https://www.ybm.jp/product/lrp-400-2)
本体重量がわずか1トンの軽量型マシンや、ロング車1台でツールスなどのオプション品も運搬できるのが同社製品の魅力。
大型重機を入れづらい狭い場所で行う調査や、重機を扱う担当者への負荷を抑えたい現場におすすめと言えます。
引用元:東亜利根ボーリング(https://www.toa-tone.jp/_shared/catalog/C100.pdf)
都市部における掘削作業では、騒音や振動への対策は必要不可欠。
国交省の「超低騒音型建設機械」にも指定された同社製品では、従来品比でエンジン騒音-11dB・作業音-10dBを実現。また、騒音の逆周波を人工的に発生させる消音装置なども展開しています。