一口にボーリングマシンと言っても、マシンの機構などによって種類が異なります。導入する際は、現場や工事内容にあったマシンを選びましょう。ここでは、温泉開発工事で活躍するボーリングマシンをご紹介します。
安全性・小スペース・低騒音で選ぶ
「おすすめのボーリングマシンメーカー3選」
温泉は、その辺の土地を深く掘るだけで出てくるものではありません。事前調査や地質調査、物理調査などを行った上で場所を決定し、特定の含有成分が確認できれば温泉と認定します。1,500~1,800mほど掘るのが一般的ですが、場所によっては20~40m掘るだけで出てくる場所もあるようです。
温泉開発工事では、多くの場合、ロータリー工法という方法が用いられます。ロータリー工法とは、トリコンビットと言われる刃先を回転させ、地層を切削破砕しながら掘削する工法です。掘削をするボーリングマシンだけでなく、泥を循環させる泥水ポンプ、泥水をためるプラント処理機械など、大型かつ多種類の機械が必要なため、広い場所が必要です。平らに整地し、地盤が軟弱な場合は地盤改良を行ってから、機材を組み立てて掘削します。
ボーリングマシンは温泉開発工事にも活用されています。ここでは、温泉開発工事でボーリングマシンを使用した事例を紹介します。ボーリングマシン活用方法の参考にしてください。
引用元:エオネックス公式HP
(https://www.chika.co.jp/wellsystem/hot-spring-drilling/)
株式会社エオネックスは、温泉開発工事において地下数百~千メートル規模の掘削能力を持つ大型ボーリングマシンを使用します。事前の地質調査や解析を経て、現場では防音・振動対策を徹底しながら掘削を実施します。掘削中は湧水や地質の状況を細かくチェックし、暴噴防止装置(BOP)も設置します。掘削後はケーシングパイプを挿入し、温泉の安定採取と冷水混入防止を図り、温泉成分分析まで行います。
参照元:エオネックス公式サイト( https://www.chika.co.jp/wellsystem/hot-spring-drilling/)
引用元:ARIGA公式HP
(https://ariga-group.com/boring/)
アリガグループでは、最新鋭のソニックドリルを用いた温泉ボーリング工事を実施しています。この掘削機は、玉石層や岩盤層など従来困難だった地層にもスムーズに対応でき、従来のロータリー方式よりも工事日数を半分に短縮し、コストも大幅に削減できます。
参照元:ARIGA公式サイト( https://ariga-group.com/boring/)
引用元:北日本ボーリング公式HP
(https://kitanihon-boring.co.jp/category/works)
福島県内での新たな水源開発にボーリングマシンを使用しました。岩盤に囲まれた地盤で、地下水には期待できないと考えられていた秘境の地でしたが、5年間の地質踏査を経て、水源開発に成功した事例です。
参照元:北日本ボーリング公式サイト( https://kitanihon-boring.co.jp/category/works )
引用元:東邦地下工機公式HP
(https://www.tohochikakoki.co.jp/bore/bore_detail.php?id=5)
有限会社清水ボーリング工業では、東邦マシン製のボーリングマシンを用いて、主に温泉掘削工事を施行しています。これまで約60ヵ所で温泉井戸を掘削し、深い場合は850m近くまで対応可能です。現場では地層の崩壊や逸水に細心の注意を払い、泥水の濃度管理を徹底することで、安定した掘削作業をおこなっています。
参照元:東邦地下工機公式サイト( https://www.tohochikakoki.co.jp/bore/bore_detail.php?id=5)
引用元:三井金属資源開発公式HP
(https://www.mindeco.co.jp/construction_cases-2/ )
神奈川県での温泉開発事例です。工期は5ヶ月でした。掘削工事、許可申請等関連業務、揚湯設備設置工事を実施。掘削深度は1,500mに達し、ボーリングマシンを活用しています。湧き出した泉質は、ナトリウム-塩化物泉です。270L/min.の湧出量で温度42.5℃の温泉を開発できました。
参照元:三井金属資源開発公式サイト( https://www.mindeco.co.jp/construction_cases-2/ )
ここでは、Bori-Hori編集チームがピックアップした温泉開発工事用のマシンを紹介します。
【選出理由】
「ボーリングマシン メーカー」とGoogle検索して10ページ以内に上位表示されるメーカー(オリジナルの製品を製造・販売)10社のうち、
「温泉開発 ボーリングマシン」に該当する情報を公式HPに掲載しているメーカーの製品をピックアップしています。
(2023年8月1日調査時点)
※また、各企業の公式サイト上に該当する工事事例や事業紹介コンテンツが存在する場合、そのページもあわせてご紹介しています。(2024年11月12日調査時点)
引用元:鉱研工業公式HP
https://www.koken-boring.co.jp/products/572/
引用元:鉱研工業公式HP
https://www.koken-boring.co.jp/products/572/
耐荷重(kN) | 50/max1500 |
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起倒方式 | 油圧シリンダー |
駆動方式 | 二速油圧モーター |
掘さく口径 (mm) | 110 |
回転数(rpm) | max 60 |
トルク(kN-m) | max 24 |
スラスト(押上)(kN) | 1500 |
スラスト(押下)(kN) | 100 |
給進速度(m/min) | 3.5 |
ストローク長(mm) | 11,000 |
原動機(kW/rpm) | 201/1800 |
運搬時寸法(L×W×H)(mm) | 10,700×3,000×3,000 |
質量(本体)(kg) | 22,800 |
質量(PU)(kg) | 4,200 |
引用元:東亜利根ボーリング公式HP
https://www.toa-tone.jp/manufacture/index.html#m02
引用元:東亜利根ボーリング公式HP
https://www.toa-tone.jp/manufacture/index.html#m02
【スイベルヘッド】
ドライブヘッド内径(mm) | 160 |
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フィードストローク(mm) | 750 |
ビットスピード(r.p.m) | 正転60-120-265-400、逆転36-72-160-240 |
最大給圧力(ton) | 25 |
最大バランス力(ton) | 33 |
最大トルク(kg、m) | 1,200 |
【重量】
総重量約(kg) | 8,400 |
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分解最大重量約(kg) | 2,000 |
【寸法】
幅(mm) | 1,970 |
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高さ(mm) | 2,320 |
長さ(mm) | 4,000 |
引用元:東邦地下工機公式HP
https://www.tohochikakoki.co.jp/catalog/catalog_list.php?by_word2=1
引用元:東邦地下工機公式HP
https://www.tohochikakoki.co.jp/catalog/catalog_list.php?by_word2=1
【スピンドル】
内径(mm) | 92 |
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回転数(r.p.m.) | Low30:65:110:25(R)、High185:385:660:160(R) |
最大トルク(kN・m) | 4.71{480kgf・m} |
ストローク(mm) | 600 |
給進力(kN) | 51.8{5290kgf} |
引抜力(kN) | 77.0{7850kgf} |
所要動力 | 15kW/4Pまたは20~30PS |
機体寸法【L×W×H】(mm) | 2,490×1,245×2,620 |
機体質量(kg) | 2,180 |
アンカー工・法面工などの中規模以上の工事から、地盤改良や地質調査などの小規模工事まで様々なシーンで活躍するボーリングマシンを、工事ごとに重要視される特徴やスペックを「強み」として表現し、それぞれにおすすめなメーカーを3社ご紹介しています。
引用元:鉱研工業(https://www.koken-boring.co.jp/products/580/)
山岳の硬い岩盤も貫けるよう、回転トルク10kN-m・引抜力60kN(給進機構)・ドリルヘッド速度25m/min、打撃力750Jなどのハイパワーを備えつつ、4次排ガス規制に適合したエンジンを積むことで燃焼効率も自動でコントロールし、経済的です。
引用元:YBM(https://www.ybm.jp/product/lrp-400-2)
本体重量がわずか1トンの軽量型マシンや、ロング車1台でツールスなどのオプション品も運搬できるのが同社製品の魅力。
大型重機を入れづらい狭い場所で行う調査や、重機を扱う担当者への負荷を抑えたい現場におすすめと言えます。
引用元:東亜利根ボーリング(https://www.toa-tone.jp/_shared/catalog/C100.pdf)
都市部における掘削作業では、騒音や振動への対策は必要不可欠。
国交省の「超低騒音型建設機械」にも指定された同社製品では、従来品比でエンジン騒音-11dB・作業音-10dBを実現。また、騒音の逆周波を人工的に発生させる消音装置なども展開しています。