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ロータリーパーカッションドリル クローラ型(自走型)

目次

一口にボーリングマシンと言っても、マシンの機構などによって種類が異なります。導入する際は、現場や工事内容にあったマシンを選びましょう。ここでは、ロータリーパーカッションドリル クローラ型(自走型)の特長と、おすすめの製品をご紹介します。

ロータリーパーカッションドリル クローラ型(自走型)とは?

作業エリアを移動することができる

ロータリーパーカッションドリルとは、回転力と打撃力の両方を利用して削孔するマシンのこと。そしてクローラ型(自走型)とは、クローラが備えられ、2つのクローラベルトで駆動・走行するタイプのことを言います。

スキッド型とは異なり、作業範囲内をゆっくりと移動できる点が特長。地すべりの誘因となっている地下水を排除する工事や、地すべり防止のグラウンドアンカー工事、土壌調査や井戸掘りなどで、比較的緩斜面で上部から順次施工するような場合に使用されています。

クローラー型とスキッド型の違い

基本構造の違い

項目 クローラー型 スキッド型
移動方式 クローラー(キャタピラ)で自走可能 台車に載っており、吊り上げて設置
設置 自走して現場に直接移動可能 クレーンなどで設置場所に据え置き
機体の安定性 接地性が高く、多少の傾斜地にも対応 設置場所で水平を取る必要あり
重量 重量がある(中型〜大型) 比較的軽量(小型〜中型)
操作性 操縦しやすく、移動もスムーズ 設置に手間がかかる

適用現場・用途の違い

項目 クローラー型 スキッド型
搬入が困難な現場 不向き(重量があり、狭い現場では困難) 適している(小型で搬入しやすい)
一定場所での連続作業 適している(自走で複数箇所を掘削可能) 不向き(設置し直しに手間がかかる)
短期間・小規模工事 不向き(性能過剰になりがち) 適している(コストを抑えやすい)
長期間・大規模工事 適している(高効率で対応可能) 不向き(作業効率が低い)
傾斜地・不整地 適している(接地性に優れる) 不向き(設置が困難)

クローラー型とスキッド型の使い分け

狭い現場での短期施工や軽量な作業には、取り回しがしやすく搬入も簡単なスキッド型が適しています。
また、コスト面を重視し、導入費や運搬費を抑えたいときにも、スキッド型がよいでしょう。

現場内を移動しながら広範囲にわたる掘削を行いたい場合は、自走機能を持つクローラー型が効果的です。
傾斜地や未整地といった不安定な地形での作業でも、接地性に優れたクローラー型の方が向いていると言えます。

工事用途や施工現場(地盤・環境)の状況に応じて、両者の特性を踏まえた適切な選定が求められます。

ロータリーパーカッションドリルクローラ型の具体的な使用事例

ロータリーパーカッションドリルは、回転力と崖劇力を使って穴を掘ります。クローラ型はキャタピラを搭載した自走型で、現場を移動しながら作業できるため効率がアップします。実際にどのように使用されているのか、その例を紹介します。

グラウンドアンカー工事・地すべり防止工事

クローラ型は地下水排水のための削孔作業で使われます。地すべり対策で行われる工事では緩やかな斜面での機動性が求められるので、クローラ型が適しています。

法面安定アンカー工事・地盤改良工事

法面の崩落防止や斜面地すべりを防ぐためのアンカー工事でもロータリーパーカッションドリルが使われています。こちらも緩やかな斜面で上から順番に作業するときは自走できるクローラ型が使われます。

都市土木での仮設アンカーや、観測井戸の削孔、二重管ストレーナー方式など様々な目的で使われていて、地盤強化のための薬液注入工法、地盤凍結工法に対応したものもあります。

山岳部・鉄塔基礎補強工事

小口径杭用の切削機は、分解して運搬できるため山岳部での工事にも適しています。ヘリコプターやモノレールで運搬して、山岳部の鉄塔基礎補強を行うこともできます。施工実績としては、東京電力パワーグリッド(株)や東北電力ネットワーク(株)の報告があります。

その他の用途

井戸の掘削や土壌調査、土木工事全般でロータリーパーカッションは活躍しています。井戸の切削は、目的の深度まで切削した後でケーシング管を挿入、井戸を作っていきます。

クローラ型のロータリーパーカッションドリルは、削孔能力に加えて機動力や現場対応力が求められる場面で使われています。多様な土木現場で幅広く利用されています。

掘削能力で選ぶ!
おすすめのロータリーパーカッションドリル クローラ型
(自走型)

ここでは、Bori-Hori編集チームがピックアップしたクローラ型のロータリーパーカッションドリルをご紹介。
特に打撃数が高く、ストローク長やフィード長が長い、大口径の強く・深く・大きく掘れる掘削能力に優れたメーカーの製品を厳選しています

【選出理由】
「ボーリングマシン メーカー」とGoogle検索して上位に表示されるメーカー(オリジナルの製品を製造・販売)10社のうち、
「ロータリーパーカッションドリル クローラ型」に該当する製品情報を公式HPに掲載しているメーカーの製品をピックアップし、打撃数の高い製品を紹介しています。
(2023年8月1日調査時点)

ロータリーパーカッションドリル(クローラー型)
各社スペック一覧比較表

各メーカーによってスペック項目名が統一されていないため、代表的な項目を掲載しています。
単位違いや基準違いで一覧化できない項目は「-」表記としています。

製品名・メーカー RPD-180C
鉱研工業
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YRP-180C
YBM
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MCD10Ⅱ
MCDプロダクト
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ID-30-40型
ユビロン・フアクト
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掘削口径(mm) 101–225 Max 216 56–216
回転数(rpm) 80 / 100 32 / 65 80 / 100 0–64
回転トルク(kN·m) 10.8 12.74 / 6.37 8.5 400
打撃数(bpm) 2,200 2,000 2,450
一打当たりエネルギー(J) 750 750–450 30 (kgf·m)
押圧力/スラスト(kN) 60
ストローク長(mm) 3,000 3,300
フィード長(mm) 3,300 2,500
定格出力(kW) 129
寸法(L×W×H)(mm) 7,600×2,420×2,720 7,200×2,300×2,800 6,715×2,365×2,635 830×468×359 (ハンマー)
質量(kg) 12,500 12,570 11,000 7,470 (油含む)
走行速度(km/h) 0–3.5
登坂能力(°) 20
吐出圧力(MPa) 18 / 20.6 / 15 180 / 150
吐出流量(L/min) 65 / 65
2025年7月調査時点。各社公式HP・カタログPDFより編集チームが調査。
鉱研
工業
RPD-180C
圧倒的な掘削能力と安全性が両立
3連フリークランプを標準搭載
RPD-180C

引用元:鉱研工業公式HP
https://www.koken-boring.co.jp/products/580/

  • 回転トルク1t以上のパワフルな高性能ドリルヘッド
  • スパナ掛け・ピース交換・手元作業が不要
  • 4次排ガス規制にも対応
RPD-180C

引用元:鉱研工業公式HP
https://www.koken-boring.co.jp/products/580/

RPD-180Cのスペック情報
掘削口径(mm) 101~225
回転数(rpm) 80(パーカッション併用) / 100(回転増速)
トルク(kN-m) 10.8
打撃数(bpm) 2,200
打撃エネルギー(J) 750
スラスト(kN) 60
ストローク長(㎜) 3,000
原動機(kW/rpm) 129/2,050
運搬時寸法(L×W×H)(mm) 7,600×2,420×2,720
質量(kg) 12,500

鉱研工業の公式HPで製品の詳細を見る

鉱研工業に工事の技術相談をする

YBM
YRP-180C
砂礫層・転石層など多様な地盤に
対応可能
YRP-180C

引用元:YBM公式HP
https://www.ybm.jp/product/yrp-180c

  • 回転だけのロータリー式削孔機では困難だった地盤に対応
  • トリプルクランプ採用でロッドの回収・継ぎ足しの作業を効率化
  • 水抜き穴や注入口の穿孔・地滑り対策・土壌調査・井戸掘りにも
YRP-180C

引用元:YBM公式HP
https://www.ybm.jp/product/yrp-180c

YRP-180Cのスペック情報
掘削口径(mm) Max216
回転数(min-1) 低速32 、高速65
トルク(N・m) 高トルク12,740、低トルク6,370
打撃数(bpm) 2,000
打撃エネルギー(J) 記載なし
適用ケーシング径(mm) Max.216
フィードストローク(mm) 3,300

【走行装置(トラクションユニット)】

型式 YBC65
走行速度(km/h) 0~3.5
登坂能力(°) 20

【寸法・質量】

外形寸法(L×W×H)(mm) 7,200×2,300×2,800
質量(kg) 12,570

YBMの公式HPで製品の詳細を見る

その他のロータリーパーカッションドリル クローラ型(自走型)

MCD
プロダクト
クローラドリルMCD10Ⅱ
高出力をむだなく活かすしくみで
大口径・長孔穿孔もお任せ
クローラドリルMCD10Ⅱ

引用元:MCDプロダクト公式HP
http://mcd-p.jpn.org/products/index.html

  • 大口径・長孔穿孔をこなすフィード装置を搭載
  • 移動式コントロールスタンドでポジション移動も楽々
  • 快適で安全な作業を可能にする
クローラドリルMCD10Ⅱ

引用元:MCDプロダクト公式HP
http://mcd-p.jpn.org/products/index.html

クローラドリルMCD10Ⅱのスペック情報
適用ケーシング(φ、mm) 56~216
回転数(rpm) 最大80(打撃併用時)/最大100(回転削孔時)
回転力(N・m) 8,500
打撃エネルギー(N・m) 750~450
運搬時寸法(L/W/H)(mm) 6,715×2,365×2,635
総重量(㎏) 11,000

MCDプロダクトの公式HPで製品の詳細を見る

ユビロン・フアクト
インパクトドリルID-30-40型 全油圧式回転打撃穿孔機
高機能油圧ハンマー搭載で
大打撃力を
実現
インパクトドリルID-30-40型 全油圧式回転打撃穿孔機

引用元:ユビロン・フアクト公式HP
http://www.yubiron.co.jp/products/product02.html

  • 全油圧式のロータリーパーカッションドリル
  • 小型軽量、ツインレバーでシステムで高効率化
  • 打撃・回転・送りを機能を2本のレバーで作動
インパクトドリルID-30-40型 全油圧式回転打撃穿孔機

引用元:ユビロン・フアクト公式HP
http://www.yubiron.co.jp/products/product02.html

インパクトドリルID-30-40型
全油圧式回転打撃穿孔機のスペック情報

【インパクトドリル】

型式 ID-30-40
油圧ハンマー UB-30-40
ガイドセル(mm) 3,800
有効送り(mm) 2,500
ケーシング長(mm) 1,500
最大速度(m/min) 押22、引22
最大推力(kg) 押3,000、引3,000
穿孔角 水平→垂直
ガイドセル旋回(°) 0~90
油圧駆動部 最高圧力(kg/㎠) 打撃180、回転150
油圧駆動部 最大油量(ℓ/min) 打撃65、回転65
油圧駆動部 総重量(kg) 7,470(油含)

【油圧ハンマー】

型式 UB-30-40
打撃部 圧力(kg/㎠) 180
打撃部 油量(ℓ/min) 65
打撃部 ピストンストローク(min) 35
打撃部 打撃数(bpm) 2,450
打撃部 打撃エネルギー(kgf-m) 30
回転部 圧力(kg/㎠) 150
回転部 油量(ℓ/min) 65
回転数(rpm) 0~64
回転力(N・m) 400
ハンマー重量(kg) 160
ハンマー寸法(L×W×H)(mm) 830×468×359

ユビロン・フアクトの公式HPで製品の詳細を見る(PDF)

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トンネルやダム建設など高馬力が重視される工事におすすめ
トンネルやダム建設など
高馬力が重視される工事
におすすめ
鉱研工業
RPD-180C

引用元:鉱研工業(https://www.koken-boring.co.jp/products/580/)

マシンの特徴や傾向

山岳の硬い岩盤も貫けるよう、回転トルク10kN-m・引抜力60kN(給進機構)・ドリルヘッド速度25m/min、打撃力750Jなどのハイパワーを備えつつ、4次排ガス規制に適合したエンジンを積むことで燃焼効率も自動でコントロールし、経済的です。

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(本社03-6907-7888)
※受付は平日9~17時

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地質調査やさく井工など小回りが重視される工事
地質調査やさく井工など
小回りが重視される工事
におすすめ
YBM
LRP-400Ⅱ

引用元:YBM(https://www.ybm.jp/product/lrp-400-2)

マシンの特徴や傾向

本体重量がわずか1トンの軽量型マシンや、ロング車1台でツールスなどのオプション品も運搬できるのが同社製品の魅力。
大型重機を入れづらい狭い場所で行う調査や、重機を扱う担当者への負荷を抑えたい現場におすすめと言えます。

YBMの
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修理相談・
お問い合わせはこちら

電話で問い合わせる
(本社0955-77-1121)
※受付時間は不明

主力製品の紹介や
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住宅地やオフィス街など静音・制振が重視される工事におすすめ
住宅地やオフィス街など
制振静音が重視される工事
におすすめ
東亜利根ボーリング
ソニックNEO

引用元:東亜利根ボーリング(https://www.toa-tone.jp/_shared/catalog/C100.pdf)

マシンの特徴や傾向

都市部における掘削作業では、騒音や振動への対策は必要不可欠。
国交省の「超低騒音型建設機械」にも指定された同社製品では、従来品比でエンジン騒音-11dB・作業音-10dBを実現。また、騒音の逆周波を人工的に発生させる消音装置なども展開しています。

東亜利根ボーリングの
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(本社03-5775-3321)
※受付時間は不明

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