ボーリング調査の目的

ここでは建物や構造物を建設する際に行う「ボーリング調査」について、その目的などを詳しく解説していきます。よく耳にする「地盤調査」との違いや他の手法との違いなどについても紹介しますので、ぜひチェックして下さい。

ボーリング調査の目的とは

ボーリング調査とは地盤調査方法の一種であり、地盤に孔（あな）を開けて土壌からサンプルを採取し、地質に於ける強度や状況などを詳細に分析することをいいます。建設業や土木事業などにおいては標準貫入試験と呼ばれる手法でボーリング調査が実施されますが、目的に応じて他にも存在するさまざまな調査手法を使い分けることがスタンダードです。ボーリング調査では決められた打撃数で貫入した深さに応じて算出される「N値」という指標で測る地盤の強度や貫入した過程で採取した土を分析して地盤の性質・特性などを調査することが可能であり、この調査結果に基づいて必要な場合には地盤改良などが行われることから重要な判断指標の一つとして実施されます。

ボーリング調査と地盤調査の違い

先に述べたように、ボーリング調査は地盤調査の種類の一つです。地盤調査は地盤がどの程度の建物の重さに耐えうるか・沈下に抵抗する力があるかなどを調べる調査のことをいいます。地盤調査ではボーリング調査の他に「SWS調査」「平板載荷試験」といった手法があり、それぞれの手法でコスト面や必要な期間、調査可能な範囲などの違いがあります。実際に調査を行う際にはその目的に応じ、適した手法を選択することになります。

ボーリング調査の種類

標準貫入試験

標準貫入試験はボーリング調査の中でも最もポピュラーな手法であり、63.5kgの重りを高さ76㎝から落下させ、専用の部品が30cm貫入するまでの回数を計測します。軟弱な地盤から固い地盤まで幅広く対応できる手法です。

簡易揚水試験

ボーリングで開けた孔（あな）から地下水をくみ上げ、一定の地下水位に達するまでの揚水量や回復推移の過程を測定する方法です。地下水位が無い場合には注水法とよばれる方法で水を注入し、平均注入量から透水係数を求めます。

土質試験

土質試験はその名の通り、掘削時に採取した土のサンプルを分析する試験です。地質の状態や性質を調べ、土に含まれる水分量や空気の割合などを割り出して液状化の判定や将来的な沈下量の予測を行います。

孔内水平載荷試験

孔内水平載荷試験は、ボーリング調査で開けた孔（あな）の内壁にガス圧や油圧をかけることで、内壁の変化を観測する手法です。地盤の変形係数や反力係数・降伏圧力などを測定しますが、無い駅や傷にダメージがあると試験結果に影響を及ぼすため注意が必要です。

現場透水試験

現場透水試験は地下水位を人工的に変化させ、「ピエゾメータ法」と呼ばれる算定式を用いて回復過程を測定する手法です。回復過程を測定する「非定常法」に加え、一定推移を維持するための注水量を測定する「定常法」があります。

土壌汚染調査

土壌汚染調査は地盤の表層部や内部に有害物質が含まれていないかを調査する手法です。重金属や農薬、鉱油類などが含まれていないかを調査するものであり、ボーリングによって採取した土壌サンプルや土壌にふくまれるガスなどを解析します。

残土（建設発生土）調査

残土は建設工事や土木工事などで発生する土のことをいい、この残土を調査するのが残土調査です。一部の自治体では残土を所定の処分場で受け入れるにあたって一定の基準値を定めており、その場合には汚染状況を調べなければいけません。

室内土質試験

室内土質試験ではボーリングで採取した土砂サンプルをさまざまな方法で分析します。細かく分けると物理試験や力学試験、配合試験などが存在しており、密度や含水率、強度・粘着率・物質配合時の強度の変化など調べたい項目に応じて調査方法を使い分けます。

最適な調査手法の選択を

地盤調査を行う際には、目的を踏まえて最適な調査手法を選択するようにしましょう。このサイトではボーリングマシンのメーカーについてや特徴的な製品などをピックアップして紹介しています。ボーリング調査について検討している方はぜひチェックして下さい。