一口にボーリングマシンと言っても、マシンの機構などによって種類が異なります。導入する際は、現場や工事内容にあったマシンを選びましょう。ここでは、集排水工事で活躍するボーリングマシンをご紹介します。
安全性・小スペース・低騒音で選ぶ
「おすすめのボーリングマシンメーカー3選」
集排水工事とは、地すべりの原因となる地下水が大量にある場所で、地すべりが起こらないよう効率的に地下水を排除する工事のことです。内径3.5~4.0mほどの井戸のような深い縦穴を掘って、井戸から上部方向へ扇状に集水ボーリングを実施。ボーリング孔から集水し、排水用のボーリング孔で排水します。
集排水工事を行うことで、地表からでは排除できないすべり面付近の地下水を排除することが可能です。
ここでは、集排水工事でボーリングマシンを使用した事例を紹介します。ボーリングマシンの活用方法の参考にしてください。

引用元:ST集排水工法公式HP
(https://st-method.com/examples/%e6%96%bd%e5%b7%a5%e4%ba%8b%e4%be%8b%ef%bc%92-2-2-2-2-2-2-2-2-2/
)
地すべり対策工事において、地下水位の高い地盤に対応するため、ボーリングマシンによる集排水管の設置が行われました。施工期間は1年4ヶ月です。従来の手掘り工法に比べ、ボーリングマシンの使用により作業効率が大幅に向上し、施工期間を短縮できました。ST集排水工法を採用し、ダウンザホールハンマービット仕様で施工しました。
参照元:ST集排水工法公式サイト( https://st-method.com/examples/%e6%96%bd%e5%b7%a5%e4%ba%8b%e4%be%8b%ef%bc%92-2-2-2-2-2-2-2-2-2/ )

引用元:斜面防災対策技術協会公式HP
(https://www.jasdim.or.jp/gijutsu/jisuberi_joho/iji/shusuiseikoh/index.html)
井筒詳細調査の事例です。直径約3.5mの縦穴を鋼製ライナープレート等で造成し、集排水ボーリングを設置して地下水を効果的に排除しました。点検や詳細調査では、ボーリングマシンで設けた集排水管の機能低下や損傷状況を確認し、必要に応じて補修や孔内洗浄などの機能回復措置を実施することで、施設の長寿命化と安定した排水機能が確保されています。
参照元:斜面防災対策技術協会公式サイト( https://www.jasdim.or.jp/gijutsu/jisuberi_joho/iji/shusuiseikoh/index.html )
ここでは、Bori-Hori編集チームがピックアップした集排水工事用のマシンを紹介します。
【選出理由】
「ボーリングマシン メーカー」とGoogle検索して上位に表示されるメーカー(オリジナルの製品を製造・販売)10社のうち、
「集排水工事 ボーリングマシン」に該当する情報を公式HPに掲載しているメーカーの製品をピックアップしています。
(2023年8月1日調査時点)
※また、各企業の公式サイト上に該当する工事事例や事業紹介コンテンツが存在する場合、そのページもあわせてご紹介しています。(2024年11月12日調査時点)
引用元:鉱研工業公式HP
https://www.koken-boring.co.jp/products/3459/
引用元:鉱研工業公式HP
https://www.koken-boring.co.jp/products/3459/
| 掘さく口径(mm) | 最大157(P165ロッド挿入可能) |
|---|---|
| 回転数(高速/低速)(rpm) | 84/42 |
| トルク(高速/低速)(kN-m) | 3.7/7.4 |
| 打撃数(bpm) | 2,200 |
| 打撃エネルギー(J) | 500 |
| スラスト(kN) | 50 |
| ストローク(長/短)(mm) | 1,520/2,090 |
| 原動機(kW) | 55-4 |
| 運搬時寸法(L×W×H)(mm) | 3,880×1,640×1,270 |
| 質量(本体)(kg) | 2,500 |
| 質量(PU)(kg) | 1,600 |
引用元:YBM公式HP
https://www.ybm.jp/product/rp-900-lp
引用元:YBM公式HP
https://www.ybm.jp/product/rp-900-lp
| 打撃力(N-m) | 637/392 |
|---|---|
| 打撃数(Hz) | 41.7/58.3 |
| 回転数(min-1) | 40/80 |
| トルク(kN-m) | 8.8/4.4 |
| 打撃数(bpm) | 2,000 |
| 外形寸法(L×W×H)(mm) | 1,550×2,700×1,400 |
| 質量(kg) | 2,030 |
引用元:東邦地下工機公式HP
https://www.tohochikakoki.co.jp/catalog/catalog_list.php?by_word2=1
引用元:東邦地下工機公式HP
https://www.tohochikakoki.co.jp/catalog/catalog_list.php?by_word2=1
| 穿孔角度(°) | 0~90(下向き) |
|---|---|
| 適用管径(mm) | 内管76.3(Max)、外管39.8(Max) |
| 回転数(rpm) | 高速0~3 4、低速0~1 7 |
| 最大トルク(kN・m) | 4.30 {438kgf・m} |
| 給進ヘッド ストローク(mm) | 1,400 |
| 給進力(kN) | 内管12.0 {1224kgf}、外管25.0 {2550kgf} |
| 引抜力(kN) | 内管17.5 {1785kgf}、外管25.0 {2550kgf} |
| 給進 ヘッドスピード(m/min) | 12(Max) |
| 機体寸法【L×W×H】(mm) | 本体2620×870×1130、油圧ユニット1300×610×1250 |
| 機体質量(kg) | 本体830、油圧ユニット650 |
引用元:MCDプロダクト公式HP
http://mcd-p.jpn.org/products/index.html
引用元:MCDプロダクト公式HP
http://mcd-p.jpn.org/products/index.html
ドリルユニットの仕様
【重量および寸法】
| 適用ケーシング径(mm) | 95~165 |
|---|---|
| 適用ケーシング長(mm) | 1.5●■1.0(●は3.0m集水井戸仕様、■は3.5m集水井戸仕様) |
| 運搬時寸法(L×W×H)(mm) | 4,585×1,735×1,315 |
| 総重量(kg) | 2,640(ツール含まず)(スライドベース装着時2,870) |
【ドリフタ】
| 打撃数(bpm) | 2,000~2,600(3段階切替機構付) |
|---|---|
| 打撃力(N・m) | 500(50kgfm) |
| 回転数(rpm) | 0~32(打撃併用時・ダブルモータ駆動) |
| 回転力(N・m) | 0~7,200(打撃併用時・ダブルモータ駆動) |
【フィード装置】
| 形式 | 油圧モータによるチェーン駆動式 |
|---|---|
| 押付力(kN) | 0~55(0~5,500kgf) |
| 引抜力(kN) | 0~55kN(0~5,500kgf) |
| 送り速度(m / min) | 0~30(2段切替) |
| フィードストローク(mm) | 2,683 ●1,463mm■1,813mm |
【ガイドセル&リンク】
| ガイドセルチルト角(°) | 上10、下90 |
|---|---|
| ガイドセルスライド長(mm) | 600mm |
| 水平穿孔高さ(mm) | 800~1,270mm(スライドベース装着時870~1,340mm) |
【セントラライザ】
| 形式 | 油圧クランプ油圧レンチ式●■手動レンチ式 |
|---|---|
| ねじ切トルク(kN・m) | 19.5(1,950kgm) |
パワーユニットの仕様
【重量および寸法】
| 総重量(kg) | 2,440 |
|---|---|
| 全長(mm) | 2,150(輸送時) |
| 全幅(mm) | 1,340 |
| 全高(mm) | 1,760(排気管上端)/1,520(排気管含まず) |
【エンジン】
| 型式 | 三菱ディーゼルエンジンS6K-E5T/4サイクル水冷排気タービン過給直接噴射式 |
|---|---|
| 定格出力(kw) | 94(128ps) |
| 定格回転数(rpm) | 1,800 |
| 排気量(cc) | 6,373 |
【その他】
| オイルタンク容量(L) | 150 |
|---|---|
| 燃料タンク容量(L) | 210 |
引用元:東亜利根ボーリング公式HP
https://www.toa-tone.jp/manufacture/index.html
引用元:東亜利根ボーリング公式HP
https://www.toa-tone.jp/manufacture/index.html
【ドリルヘッド】
| 形式 | 油圧モーター駆動 |
|---|---|
| 回転数(min -1) | 0 - 57 (低速時) |
| チルト角度(°) | 0 – 45 |
| 回転トルク(kNm) | 5.88 (低速時)、2.94(高速時) |
【フィードシステム】
| 形式 | 油圧モーターチェーン方式 |
|---|---|
| 押下力(kN) | 68.6 |
| 押上力(kN) | 68.6 |
| フィード速度(m/min.) | 0 – 15.0 |
| ストローク長(mm) | 4,630 |
【オシレーター】
| 形式 | 油圧モーター駆動 |
|---|
【ガイドシェル】
| 形式 | 油圧起倒式 |
|---|---|
| リーダースライド(上下)(mm) | ストローク:1,000(上下各500) |
| スイング角度(°) | ±5 |
【巻上装置】
| 形式 | 油圧モーターウィンチ |
|---|---|
| 巻上能力(kN) | 6.9 |
| ロープ径(mm×m) | 9.0x20 |
【クローラー】
| 燃料タンク容量(L) | 軽油250 |
|---|---|
| 作動油タンク容量(L) | 400 |
【レベリングジャッキ】
| ストローク(mm) | 500 |
|---|
【重量・寸法】
| ドリル本体重量(kg) | 約 10,000(オプション含まず) |
|---|---|
| 本体寸法(LxWxH)(mm) | 7,860x1,980x2,800 |
アンカー工・法面工などの中規模以上の工事から、地盤改良や地質調査などの小規模工事まで様々なシーンで活躍するボーリングマシンを、工事ごとに重要視される特徴やスペックを「強み」として表現し、それぞれにおすすめなメーカーを3社ご紹介しています。
引用元:鉱研工業(https://www.koken-boring.co.jp/products/580/)
山岳の硬い岩盤も貫けるよう、回転トルク10kN-m・引抜力60kN(給進機構)・ドリルヘッド速度25m/min、打撃力750Jなどのハイパワーを備えつつ、4次排ガス規制に適合したエンジンを積むことで燃焼効率も自動でコントロールし、経済的です。
引用元:YBM(https://www.ybm.jp/product/lrp-400-2)
本体重量がわずか1トンの軽量型マシンや、ロング車1台でツールスなどのオプション品も運搬できるのが同社製品の魅力。
大型重機を入れづらい狭い場所で行う調査や、重機を扱う担当者への負荷を抑えたい現場におすすめと言えます。
引用元:東亜利根ボーリング(https://www.toa-tone.jp/_shared/catalog/C100.pdf)
都市部における掘削作業では、騒音や振動への対策は必要不可欠。
国交省の「超低騒音型建設機械」にも指定された同社製品では、従来品比でエンジン騒音-11dB・作業音-10dBを実現。また、騒音の逆周波を人工的に発生させる消音装置なども展開しています。