一口にボーリングマシンと言っても、マシンの機構などによって種類が異なります。導入する際は、現場や工事内容にあったマシンを選びましょう。ここでは、アンカー工/法面工事で活躍するボーリングマシンをご紹介します。
安全性・小スペース・低騒音で選ぶ
「おすすめのボーリングマシンメーカー3選」
法面とは、盛土や切土など、人工的に造られた傾斜面のことを言います。そして法面工事とは、法面が崩壊・落石しないように行う工事のことです。植生工や構造物工、排水工などさまざまな種類があり、法面の状況や周囲の環境、気候条件などに合わせて適切な工法を選択します。
アンカー工も、法面工事の一つです。法面に比較的小さい孔を開けて鋼材などの引張り材を挿入し、安定した岩盤に定着させて、表面の岩盤が崩落したり剥落したりしないようにします。アンカー工には、大規模な崩壊対策を行うグラウンドアンカー工、小~中規模対策用のロックボルト工、表層を面的に抑える鉄筋挿入工などの種類があります。
アンカー工や法面工事の際に使用するボーリングマシンは多種多様であり、マシン選びにおいては価格やスペック、メーカーなどを踏まえて比較・検討を行うでしょう。ここではアンカー工/法面工事のボーリングマシン使用事例についていくつか紹介しますので、ぜひチェックしてマシン選びの参考にしてみてください。
引用元:https://www.jasdim.or.jp/gijutsu/gakekuzure_joho/taisaku/yokusiank/index.html
グラウンドアンカーは「アンカー体」と「引張り部」、「アンカー頭部」の3つから構成されています。このアンカー体はアンカーの力を地盤に直接伝達する部分であり、グラウトの注入により造成されることになります。このグラウンドアンカー工は、施工の良し悪しがその品質(アンカー耐力、耐久性)を直接大きく左右するため、十分な施工管理が必要になります。
参照元:https://www.jasdim.or.jp/gijutsu/gakekuzure_joho/taisaku/yokusiank/index.html
引用元:https://snowrockfence-vx.com/product/construction-flow/
軽量ボーリングマシンを使用した事例であり、斜面に対して所定の角度で削孔・アンカー鋼材の挿入を行っています。グラウトを注入して養生を終えたあと、所定の耐力を有するかの確認を行います。アンカーに対してブレーキシステムを取付け、ネット展開ロープを取付けています。ネットパネルに付属するロープを支柱に取付け、隣接するネットパネルを連結ロープで連結して完成になります。
参照元:https://snowrockfence-vx.com/product/construction-flow/
引用元:https://www.aiwa-sangyo.com/img/works-anchor-flow.pdf
無足場アンカー工法は仮設足場が不要な工法であり、高所や飛び地・狭小地・急斜傾地などに対して広い施工対応性を誇ります。また、複数台施工によって進捗性が増し経済的な工事が可能であり、樹間施工による環境保全や併用工による施工効率の向上などを狙うことが可能なボーリングマシン・工法です。
参照元:https://www.aiwa-sangyo.com/img/works-anchor-flow.pdf
引用元:https://www.tamura-bor.co.jp/business/special/
この事例で紹介するアンカー工やタイロット工は、土留めをワイヤーで緊張することによって安定を確保することができる工法です。いずれもロータリーパーカッションドリルというボーリングマシンを使用して施工するものとなっています。これに長年培ったボーリング技術を組み合わせることで、さまざまな特殊工事を可能にします。
参照元:https://www.tamura-bor.co.jp/business/special/
引用元:https://www.kyowa-bousai.co.jp/works1/%e5%af%92%e6%b2%b3%e6%b1%9f%e3%83%80%e3%83%a0%e6%b9%af%e3%83%8e%e6%b2%a2%e5%9c%b0%e5%8c%ba%e6%b3%95%e9%9d%a2%e8%a3%9c%e4%bf%ae%e5%b7%a5%e4%ba%8b/
ダム周辺における法面の補修工事を行っている事例です。
参照元:https://www.kyowa-bousai.co.jp/works1/%e5%af%92%e6%b2%b3%e6%b1%9f%e3%83%80%e3%83%a0%e6%b9%af%e3%83%8e%e6%b2%a2%e5%9c%b0%e5%8c%ba%e6%b3%95%e9%9d%a2%e8%a3%9c%e4%bf%ae%e5%b7%a5%e4%ba%8b/
ここでは、Bori-Hori編集チームがピックアップしたアンカー工/法面工事に適したマシンの中で、特に打撃数が高い、掘削能力に優れたメーカーの製品を厳選してご紹介します。
【選出理由】
「ボーリングマシン メーカー」とGoogle検索して上位に表示されるメーカー(オリジナルの製品を製造・販売)10社のうち、
「アンカー工/法面工事 ボーリングマシン」に該当する情報を公式HPに掲載しているメーカーの製品をピックアップしています。
(2023年8月1日調査時点)
※また、各企業の公式サイト上に該当する工事事例や事業紹介コンテンツが存在する場合、そのページもあわせてご紹介しています。(2024年11月12日調査時点)
引用元:鉱研工業公式HP
https://www.koken-boring.co.jp/products/583/
引用元:鉱研工業公式HP
https://www.koken-boring.co.jp/products/583/
写真はRPD-75SL-H2-FC
項目 | H2-FC | H3-FC |
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掘さく口径(mm) | 65~157 | 65~157 |
回転数(rpm) | 70(低速) / 35(高速) | 70(低速) / 35(高速) |
トルク(kN-m) | 3.7(高速) / 7.7(低速) | 3.7(高速) / 7.7(低速) |
打撃数(bpm) | 2,200 | 2,200 |
打撃エネルギー(J) | 500 | 500 |
スラスト(kN) | 60 | 60 |
ストローク長(mm) | 最大1,940 | 最大1,500 |
原動機(kW) | 55-4 | 55-4 |
運搬時寸法【L×W×H】(mm) | 3,680×1,950×1,300 | 3,170×1,890×1,300 |
質量【本体】(㎏) | 2,600 | 2,600 |
質量【PU】(㎏) | 1,700 | 1,700 |
対応ライナープレート | 直径3.5m | 直径3.0m |
引用元:YBM公式HP
https://www.ybm.jp/product/yrp-180c
引用元:YBM公式HP
https://www.ybm.jp/product/yrp-180c
掘さく口径(mm) | Max216 |
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回転数(min-1) | 低速32、高速65 |
トルク(N・m) | 高トルク12,740、低トルク6,370 |
打撃数(bpm) | 2,000 |
打撃エネルギー(J) | 記載なし |
スラスト(kN) | 記載なし |
ストローク長(mm) | 記載なし |
【走行装置(トラクションユニット)】
型式 | YBC65 |
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走行速度(km/h) | 0~3.5 |
登坂能力(°) | 20 |
【寸法・質量】
外形寸法(L×W×H)(mm) | 7,200×2,300×2,800 |
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質量(kg) | 12,570 |
引用元:エムズ公式HP
https://www.ems-esd.co.jp/products/esd-series/esd30/
引用元:エムズ公式HP
https://www.ems-esd.co.jp/products/esd-series/esd30/
適用ケーシング(φ) | Max96 |
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穿孔深度(m) | 10(対象地層により変化) |
穿孔角度(°) | 水平~下向65 |
形式 | 全油圧回転打撃独立作動式スプリングドリル |
打撃エネルギー(J) | 245 |
打撃数(bpm) | 0~500 |
回転数(rpm) | 0~35/0~71 |
回転トルク(kN-m) | 1.66 |
主要寸法(L×W×H)(mm) | 2,600×1,185×1,010 |
質量(本体)(kg) | 400 |
引用元:扶桑工業公式HP
https://www.kk-fuso.co.jp/kikai/
引用元:扶桑工業公式HP
https://www.kk-fuso.co.jp/kikai/
適用ケーシング(mm) | φ57~φ96 長さ1m |
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掘削角度(°) | 水平~下向60°、下向30°~下向90° |
打撃力(J) | 200(バックハンマ機構付) |
打撃数(bpm) | 400 |
回転数(min-1) | 26/52 |
回転トルク(kN-m) | 1.15 |
フィード方式 | オイルモータ、チェーン方式 |
フィード力(kN) | 0~11.8 |
フィードストローク(mm) | 1,450 |
セントラライザ | 油圧クランプ・油圧ブレーカ |
寸法(L×W×H)(mm) | 2,770×1,060×1,100 |
質量(本体)(㎏) | 550(コントロールスタンド付) |
続いて、打撃数の記載が公式HP上で確認できなかったものの、アンカー工や法面工事で使用できる製品を紹介します。
引用元:東亜利根ボーリング公式HP
https://www.toa-tone.jp/manufacture/m07.html#m10
引用元:東亜利根ボーリング公式HP
https://www.toa-tone.jp/manufacture/m07.html#m10
本体質量(t) | 1.8 |
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掘削径(mm) | 96-165 |
ドリフタ打撃力(kN) | 0.18-0.49 |
ドリフタ回転トルク(kN) | 2.9-5.9 |
ドリフタチルト角度(°) | 上0、下90 |
フィードシステム給進力(kN) | 43.1 |
フィードシステム引抜力(kN) | 43.1 |
フィードシステムストローク長(mm) | 1,400 |
引用元:東邦地下工機公式HP
https://www.tohochikakoki.co.jp/catalog/catalog_list.php?by_word2=1
引用元:東邦地下工機公式HP
https://www.tohochikakoki.co.jp/catalog/catalog_list.php?by_word2=1
穿孔角度(°) | 0~90(下向き) |
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適用管径(mm) | 内管76.3(Max)、外管39.8(Max) |
回転数(rpm) | 高速0~3 4、低速0~1 7 |
最大トルク(kN・m) | 4.30 {438kgf・m} |
給進ヘッド ストローク(mm) | 1,400 |
給進力(kN) | 内管12.0 {1224kgf}、外管25.0 {2550kgf} |
引抜力(kN) | 内管17.5 {1785kgf}、外管25.0 {2550kgf} |
給進 ヘッドスピード(m/min) | 12(Max) |
機体寸法【L×W×H】(mm) | 本体2620×870×1130、油圧ユニット1300×610×1250 |
機体質量(kg) | 本体830、油圧ユニット650 |
アンカー工・法面工などの中規模以上の工事から、地盤改良や地質調査などの小規模工事まで様々なシーンで活躍するボーリングマシンを、工事ごとに重要視される特徴やスペックを「強み」として表現し、それぞれにおすすめなメーカーを3社ご紹介しています。
引用元:鉱研工業(https://www.koken-boring.co.jp/products/580/)
山岳の硬い岩盤も貫けるよう、回転トルク10kN-m・引抜力60kN(給進機構)・ドリルヘッド速度25m/min、打撃力750Jなどのハイパワーを備えつつ、4次排ガス規制に適合したエンジンを積むことで燃焼効率も自動でコントロールし、経済的です。
引用元:YBM(https://www.ybm.jp/product/lrp-400-2)
本体重量がわずか1トンの軽量型マシンや、ロング車1台でツールスなどのオプション品も運搬できるのが同社製品の魅力。
大型重機を入れづらい狭い場所で行う調査や、重機を扱う担当者への負荷を抑えたい現場におすすめと言えます。
引用元:東亜利根ボーリング(https://www.toa-tone.jp/_shared/catalog/C100.pdf)
都市部における掘削作業では、騒音や振動への対策は必要不可欠。
国交省の「超低騒音型建設機械」にも指定された同社製品では、従来品比でエンジン騒音-11dB・作業音-10dBを実現。また、騒音の逆周波を人工的に発生させる消音装置なども展開しています。