一口にボーリングマシンと言っても、マシンの機構などによって種類が異なります。導入する際は、現場や工事内容にあったマシンを選びましょう。ここでは、ロータリーパーカッションドリル スキッド型(設置型)の特長と、おすすめの製品をご紹介します。
【高馬力・小回り・低騒音】
工事に必要な“強み”から選べる
ボーリングマシン総合メーカー3選
ロータリーパーカッションドリルとは、ケーシングに回転と空気圧、または油圧による打撃を加え、回転力と打撃力の両方を利用して削孔するマシンです。スキッド型とは、足場に設置するタイプのこと。足場にマシンを固定して使用します。
ロータリーパーカッションドリル スキッド型(設置型)の特長は、横方向に掘削できること。このため、地すべりの誘因となっている地下水を排除する工事や、地すべり防止のためのグラウンドアンカー工、地盤改良のための先行削孔などに活用されています。
スキッド型のロータリーパーカッションドリルは、固定された場所に設置して使用するもので横方向への削孔を得意としています。主な使用事例について紹介しましょう。
スキッド型は基本的に固定された足場上で施工を行うことになります。横方向への掘削が可能となるため、斜面内部の排水路、水抜きボーリングに適していて、地すべり原因となる地下水の排水工事で用いられます。
斜面の安定化を目的としたグラウンドアンカー工事でも、スキッド型が採用されています。アンカーを横方向や下向きに地中深く打設する際、固定設置するスキッド型が適しています。
地番改良や地すべり対策として、掘削中に薬液を注入します。その際の前段階として、スキッド型ロータリーパーカッションドリルを使って横方向や斜め方向に削孔し、そこから薬液などを注入するよう準備します。
近年増えているロックボルト工事でも、ロータリーパーカッションドリルが活躍しています。簡易的な足場での作業が求められることもあるロックボルト施工では小型・軽量のロータリーパーカッションドリルが使用され、高所への移動も容易となっています。軽量・小型のものは狭いところでも工事できます。
ロックボルト施工は、法面の補強・安定化を目的とするものです。削孔径や削孔深度に応じて機械のサイズを選びます。
スキッド型のロータリーパーカッションは、横方向への削孔が必要な地すべり防止、アンカー工事、地盤改良などの目的で使用されています。固定設置しなければいけないため、足場や仮設起訴上に設置できる現場で多く活躍しています。
ここでは、Bori-Hori編集チームがピックアップしたスキッド型のロータリーパーカッションドリルをご紹介。
特に打撃数が高く、ストローク長やフィード長が長い、強く深く掘れる掘削能力に優れたメーカーの製品を厳選しています。
【選出理由】
「ボーリングマシン メーカー」とGoogle検索して上位に表示されるメーカー(オリジナルの製品を製造・販売)10社のうち、
「ロータリーパーカッションドリル スキッド型」に該当する製品情報を公式HPに掲載しているメーカーの製品をピックアップし、打撃数の高い製品を紹介しています。
(2023年8月1日調査時点)
引用元:鉱研工業公式HP
https://www.koken-boring.co.jp/products/3459/
引用元:鉱研工業公式HP
https://www.koken-boring.co.jp/products/3459/
掘さく口径(mm) | 最大157 (P165ロッド挿入可能) |
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回転数(rpm) | 高速84 / 低速42 |
トルク(kN-m) | 高速3.7 / 低速7.4 |
打撃数(bpm) | 2,200 |
打撃エネルギー(J) | 500 |
スラスト(kN) | 50 |
ストローク長(mm) | 1,520 / 2,090 |
原動機(kW/rpm) | 55-4 |
運搬時寸法(L×W×H)(mm) | 3,880×1,640×1,270 |
質量(本体)(kg) | 2,500 |
引用元:YBM公式HP
https://www.ybm.jp/product/rp-900-lp
引用元:YBM公式HP
https://www.ybm.jp/product/rp-900-lp
打撃力(N-m) | 637/392 |
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回転数(min-1) | 40/80 |
フィード長(mm) | 1,500 |
打撃数(bpm) | 2,000 |
外形寸法(L×W×H)(mm) | 1,550×2,700×1,400 |
質量(kg) | 2,030 |
引用元:ユビロン・フアクト公式HP
http://www.yubiron.co.jp/products/product02.html
引用元:ユビロン・フアクト公式HP
http://www.yubiron.co.jp/products/product02.html
全長(mm) | 3,100 |
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ストローク(mm) | 1,780 |
最大推力(kgf) | 1,400 |
適用ケーシング(mm) | φ96×1,000 |
穿孔角(°) | 0〜50 |
打撃数(bpm) | 2,100 |
打撃力(kgf-m/b.p.m) | 23.0 |
回転数(rpm) | 20/60 |
回転力(kgf-m) | 250/125 |
寸法(L×W×H)(mm) | 3,100×800×1,200 |
重量(kg) | 550 |
引用元:東亜利根ボーリング公式HP
https://www.toa-tone.jp/manufacture/m07.html#m10
引用元:東亜利根ボーリング公式HP
https://www.toa-tone.jp/manufacture/m07.html#m10
本体質量(t) | 1.8 |
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掘削径(mm) | 96-165 |
ドリフタ打撃力(kN) | 0.18-0.49 |
ドリフタ回転トルク(kN) | 2.9-5.9 |
ドリフタチルト角度(°) | 上0、下90 |
フィードシステム給進力(kN) | 43.1 |
フィードシステム引抜力(kN) | 43.1 |
フィードシステムストローク長(mm) | 1,400 |
引用元:扶桑工業公式HP
https://www.kk-fuso.co.jp/kikai/
引用元:扶桑工業公式HP
https://www.kk-fuso.co.jp/kikai/
適用ケーシング(mm) | φ57~φ96 長さ1m |
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掘削角度(°) | 水平~下向60°、下向30°~下向90° |
打撃力(J) | 200(バックハンマ機構付) |
打撃数(bpm) | 400 |
回転数(min-1) | 26/52 |
回転トルク(kN-m) | 1.15 |
フィード方式 | オイルモータ、チェーン方式 |
フィード力(kN) | 0~11.8 |
フィードストローク(mm) | 1,450 |
セントラライザ | 油圧クランプ・油圧ブレーカ |
寸法(L×W×H)(mm) | 2,770×1,060×1,100 |
質量(本体)(㎏) | 550(コントロールスタンド付) |
引用元:MCDプロダクト公式HP
http://mcd-p.jpn.org/products/index.html
引用元:MCDプロダクト公式HP
http://mcd-p.jpn.org/products/index.html
ドリルユニットの仕様
【重量および寸法】
適用ケーシング径(mm) | 95~165 |
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適用ケーシング長(mm) | 1.5●■1.0(●は3.0m集水井戸仕様、■は3.5m集水井戸仕様) |
運搬時寸法(L×W×H)(mm) | 4,585×1,735×1,315 |
総重量(kg) | 2,640(ツール含まず)(スライドベース装着時2,870) |
【ドリフタ】
打撃数(bpm) | 2,000~2,600(3段階切替機構付) |
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打撃力(N・m) | 500(50kgfm) |
回転数(rpm) | 0~32(打撃併用時・ダブルモータ駆動) |
回転力(N・m) | 0~7,200(打撃併用時・ダブルモータ駆動) |
【フィード装置】
形式 | 油圧モータによるチェーン駆動式 |
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押付力(kN) | 0~55(0~5,500kgf) |
引抜力(kN) | 0~55kN(0~5,500kgf) |
送り速度(m / min) | 0~30(2段切替) |
フィードストローク(mm) | 2,683 ●1,463mm■1,813mm |
【ガイドセル&リンク】
ガイドセルチルト角(°) | 上10、下90 |
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ガイドセルスライド長(mm) | 600mm |
水平穿孔高さ(mm) | 800~1,270mm(スライドベース装着時870~1,340mm) |
【セントラライザ】
形式 | 油圧クランプ油圧レンチ式●■手動レンチ式 |
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ねじ切トルク(kN・m) | 19.5(1,950kgm) |
パワーユニットの仕様
【重量および寸法】
総重量(kg) | 2,440 |
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全長(mm) | 2,150(輸送時) |
全幅(mm) | 1,340 |
全高(mm) | 1,760(排気管上端)/1,520(排気管含まず) |
【エンジン】
型式 | 三菱ディーゼルエンジンS6K-E5T/4サイクル水冷排気タービン過給直接噴射式 |
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定格出力(kw) | 94(128ps) |
定格回転数(rpm) | 1,800 |
排気量(cc) | 6,373 |
【その他】
オイルタンク容量(L) | 150 |
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燃料タンク容量(L) | 210 |
アンカー工・法面工などの中規模以上の工事から、地盤改良や地質調査などの小規模工事まで様々なシーンで活躍するボーリングマシンを、工事ごとに重要視される特徴やスペックを「強み」として表現し、それぞれにおすすめなメーカーを3社ご紹介しています。
引用元:鉱研工業(https://www.koken-boring.co.jp/products/580/)
山岳の硬い岩盤も貫けるよう、回転トルク10kN-m・引抜力60kN(給進機構)・ドリルヘッド速度25m/min、打撃力750Jなどのハイパワーを備えつつ、4次排ガス規制に適合したエンジンを積むことで燃焼効率も自動でコントロールし、経済的です。
引用元:YBM(https://www.ybm.jp/product/lrp-400-2)
本体重量がわずか1トンの軽量型マシンや、ロング車1台でツールスなどのオプション品も運搬できるのが同社製品の魅力。
大型重機を入れづらい狭い場所で行う調査や、重機を扱う担当者への負荷を抑えたい現場におすすめと言えます。
引用元:東亜利根ボーリング(https://www.toa-tone.jp/_shared/catalog/C100.pdf)
都市部における掘削作業では、騒音や振動への対策は必要不可欠。
国交省の「超低騒音型建設機械」にも指定された同社製品では、従来品比でエンジン騒音-11dB・作業音-10dBを実現。また、騒音の逆周波を人工的に発生させる消音装置なども展開しています。