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地熱発電におけるボーリングについて

目次

地熱発電を行うにはボーリングによって地下深部の高温熱水を取り出す必要があります。地熱発電とは何か、またその掘削法の種類や特徴について詳しく解説します。

地熱発電とは

地球の地下深くには岩石成分などが溶けて液体状態となったマグマが存在します。これら地下にある蒸気や熱水の熱エネルギーを利用して発電することを地熱発電といい、利用するには地下深部までボーリングする必要があります。

ボーリングによって1000〜3000mの地下深部の地熱貯留層から、200〜300℃にもなる高温熱水を取り出します。地上で蒸気と熱水に分離させ、蒸気でタービンを回すことによって電気を作り出すのが地熱発電です。

地熱貯留層から地熱流体を採取するための坑井のことを地熱井と呼びます。

地熱井について

地熱井とは、地熱貯留層からエネルギーとなる高温熱水を取り出すための井戸のようなもので、非常に高温のため地層を冷却しながら掘削します。

同じように地下資源開発である石油掘削の技術を適用しますが、地下温度が300℃を超える地域もあり、坑内トラブルのリスクも高くなります。

目的による分類

地熱井は目的によって4つに分類されます。

地下構造や地熱流体の貯留状態を調査するために、小口径で掘削される構造試錐井があります。また地熱流体の流量や性状、還元量などの調査するために掘削される調査井、地熱流体を採取して発電に使うための生産井、抗井から噴き出した熱水などを地下へ還元するための還元井があり、それぞれ目的によって分類されています。

スピンドル式掘削法

ボーリングマシン(試錐機)を使用して、地質調査や鉱山の探鉱に用いられている工法をスピンドル式掘削法といいます。

掘削機のスイベルヘッド内にボーリングロッドを通し、スイベルヘッドに付属しているロッドチャックでロッドを固定してからスピンドルを回転させながら昇降させることで掘削します。

ボーリングロッドには、コアバーレルとコアビットが接続されており、掘削区間のほぼ全区間でコアを採取するコアボーリングを行います。

小口径のコア掘削に向いており、コアの採集率が高いのが特徴。掘削機も比較的小型のため機動性が高く、少人数の技術者で施工できるため掘削コストも低く抑えられます。

ロータリー式掘削法

石油井で用いられている工法で、ドローワークスのドラムでドリルストリングスを刷り下げ、スイベルに接続したケリーをロータリーケーブルで回転させて掘削します。

コアの採取には、ドリルカラーの下部にコアバーレルとコアビットを接続して掘削し、コアはすべてのストリングスを揚管してコアを回収します。

ロータリー式掘削法は、大口径の全断面掘削に適した工法です。ドリルストリングスの強度が高いため、深部掘削や高傾斜コントロール掘削、高温度部の掘削も可能。しかし掘削機が大型のため、広い土地と多くの技術者が必要となり、掘削コストはスピンドル式掘削法より高くなります。

地熱発電の特徴

地熱発電はマグマによって温められた高温の蒸気を利用して発電するため、燃料が不要です。火山の多い日本では原料の輸入も必要なく、CO2がほとんど出ない地球にやさしいクリーンエネルギーです。

また地球がボイラーのようなものなので、半永久的に発電できる再生可能エネルギーでもあります。さらに季節にも左右されず、24時間安定した発電が可能。

エネルギー資源が少ないといわれる日本において、地下に眠る膨大な純国産の資源として開発が進んでいます。

まとめ

環太平洋火山帯に位置している日本にとって、マグマを活用した地熱発電は膨大なポテンシャルを秘めたエネルギーです。地下にあるエネルギーを使用するため、燃料などが必要なく、電気を作るのにCO2をほとんど出さない再生可能なエネルギーでもあります。

地熱発電は、エネルギー資源がないという課題と、カーボンニュートラル達成の両方を解決できる可能性が高いといえるでしょう。

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引用元:鉱研工業(https://www.koken-boring.co.jp/products/580/)

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引用元:YBM(https://www.ybm.jp/product/lrp-400-2)

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引用元:東亜利根ボーリング(https://www.toa-tone.jp/_shared/catalog/C100.pdf)

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